最後の夜汽車

1977年にリリースされた4作目のオリジナル・アルバム「この夜にさよなら」に収録された甲斐バンド屈指の名バラード。
作詞作曲:甲斐よしひろ

9月に「シネマクラブ」という、やはり甲斐バンドさんの歌を紹介しましたが、この歌も同じアルバムで知り感動した楽曲です。1979年の年末のコンサートを収めたアルバム「100万$ナイト-武道館ライヴ」の最後に入っている歌なのですが、当時カセットテープに録音したときにカセットの長さが足りなくなってしまい、尻切れトンボで終わってしまっていました。今ではそのカセットもどこにいったのか、というか「捨てた」と思いますが、わかりませんが、そのカセットでは

♪スポットライトは
♪どこかのスターのもの

で尻切れていて、ずっと長い間「この続きを聴きたいなぁ」と思っていました。ですので思い入れがとても強いのです。よくあるじゃないですが、「途中で終わったものほど、未知の魅力というか、勝手に想像が膨らんで魅力が倍増する」って。それです。

ずっとそう思っていたのですが、その後と言っても30年くらい前のことですが、「さんまのまんま」というさんまさんの番組に甲斐さんが出演したとき、なんとさんまさんが「僕は甲斐さんの歌の中でこの歌が一番好きでんねん」といって歌ったのが、ちょうど

♪スポットライトは
♪どこかのスターのもの

の部分でした。「ああ、僕と同じ感性の人がいたぁー」と感激したのを覚えています。僕がこのアルバムを聴いたのは妻がレコードを持っていたからですが、そこからカセットテープにダビングしたのですね。あ、「ダビング」って、なんか懐かしいなぁ。昔はよく「ダビングした」なんて言葉を使っていましたっけ。

ちなみに、このアルバムに入っている歌はみんなみんな完璧に全部好きです。ライブ版ということも関係あるかもしれませんが、「それほど好きではない」という楽曲が一曲もありません。今の人はアルバムと言ってもあまりピンとこないかもしれませんが、昔は、アルバムを買うと「それほど好きでもない歌」がいくつか入っているのが難点だったんです。ですので、この妻が持っていたアルバムは今風にいいますと「神アルバム」といったところでしょうか。

前回も書きましたが、甲斐さんの歌詞からは映画の匂いがプンプンするのですが、最近知ったのですが、甲斐さんは映画が好きで、特にフランス映画が好きだそうで、僕の推測では、甲斐さんは映画を観て歌詞を考えていたのではないか、と思っています。そうしますと、すべての楽曲が腑に落ちます。

それでは、また。

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