1984年(昭和59年)9月21日にリリース
作詞:銀色夏生 作曲:大沢誉志幸
歌:大沢誉志幸
僕の記憶では、大沢さんはお化粧をしていたように思うのですが、この歌が出た当時はYMOをはじめとした新しい潮流の楽曲が出ていたように思います。坂本龍一さんもお化粧をしていましたので、その同じ流れにある楽曲と思っていました。
そういえば、「テクノ」という言葉も流行っていたはずですが、テクノカットという風変わりな髪型も出始めていましたっけ。それはともかく、この歌の好きなところはリズムです。リズム感オンチの僕が言うのもなんですが、身体と指が勝手に動き出すメロディーです。以前にも書きましたが、楽曲を聴いて、サビのときに自然に右手人差し指が伸びて上下に動くときは、その楽曲は好きな歌です。
♪見慣れない服を着た
♪君が今 出て行った
物語がはじまる気配がする出だしです。数回前に書きました、瑛人さんの「香水」と同じ香りがしてきますよね。あっ、こっちのほうが先だった。それはともかく、素晴らしい楽曲は歌詞の出だしで物語のはじまりを感じさせます。
♪ふざけあったあのリムジン
♪遠くなる 君の手で
歌詞にリムジンが出てくるのですが、今でいうところのセレブの生活ぶりが伝わってきます。セレブな彼女に「自分の好きなように生きていいよ」と言って、でも、自分は途方に暮れるのですね。わびしい気がしないでもありませんが、美人なセレブはみんなそんな感じですよね。
というわけで、この歌詞を書いた人が気になったのですが、銀色夏生さんでした。僕が初めて銀色さんを知ったのは学生時代でしょうか。本屋さんの棚で角川文庫のコーナーに銀色さんの本がたくさん並んでいたのがとても印象に残っています。
驚いたのは、今回この記事を書くにあたり調べたところ、銀色さんは詩を書くことから始めたのではなく、作詞家からはじまっていることでした。作詞家になるパターンとしては、放送作家やコピーライターなどから作詞家に転じるケースが多いので、「詩」を書く人から作詞家に転じたのだと思っていました。
これも僕の勝手な想像ですが、角川は当時、派手な広告を打って本や映画を成功させるパターンが成功していたのですが、銀色さんもその一つのように思っていました。実際はどうなのでしょう。
それでは、また。