JAPAN

1991年12月14日リリース
長渕剛の13枚目のオリジナルアルバム、およびアルバムの一曲目に収録されている楽曲
作詞・作曲: 長渕剛

この歌で思い出すのはやはりNHK紅白歌合戦での歌唱です。当時、僕はラーメン店を営んでいたのですが、普段は時間がなくて歌番組など見ていませんでしたので、年末の紅白歌合戦はとても楽しみにしていた記憶があります。この頃の長渕さんは絶頂期でカッコヨカッタです。紅白では一人だけベルリンから別枠で出演していたのですが、長渕さんの絶頂ぶりがわかります。

そのせいかどうかわかりませんが、この紅白の出演に際しては長渕さんだけ3曲も歌ったのですが、特別扱いぶりがわかろうというものです。しかも、予定よりも長く歌ったらしくほかの歌手からクレームがきたりしていろいろ物議を醸したそうです。この頃の長渕さんは「かなり生意気になっていた」とのちに当人も語っていました。

♪強い者と戦う時は ただただひたすら
♪自分を信じればいい
♪弱い者に真実を語る時は 少しだけ気をつけろ
♪裏目裏目に 愛が転がる

核心をついてますよねぇ。のちに「人生のことは、すべて長渕さんが教えてくれた」と長渕さんの歌詞だけを集めた本が出版されていたように記憶しているのですが、どうでしょう。この本が出版されたとき、僕は早朝トラックでケーキの配達の仕事をしていたのですが、渋谷の道玄坂から下に降りて行くときに、ちょうど真向かいの壁に、長渕さんがギターを肩に担いでいる後ろ姿のバカでかいポスターが貼られていたのを思い出します。その絵もかっこよかったんですよね。

♪誰かの弱さをひき上げたいなどと
♪うぬぼれた己れの恥を知ったなら

この歌詞も秀逸です。「誰かを助けたい」って一つ間違えると、ホント「うぬぼれ」です。まさに長渕さんは人生を教えてくれていますね。

♪「平和な国だね」と友に語れば
♪「堅い話はおよし」と誰もがすり抜けた

確かにそうい人、いますよね。でも、このあたりは本当に難しくて、堅い話が好きな人の集まりもありますし、要はつきあっている友だちの種類の問題かもしれません。僕の学生時代はそこまで真面目な話をする友人たちではありませんでしたので、この歌詞は近いかもしれません。

♪ペルシャ湾の水鳥みたいに 息絶え絶え

この歌詞はちょうど湾岸戦争が起きたときで、その関連でペルシャ湾に大量の原油が流出してその油のせいで悲惨な水鳥の映像が世界に流れたときのことを歌っています。当時、米国が「イラクが流した」と発表していたのですが、実は、あとになって原油が流出した原因が米国自身にあったことが明らかになっています。

僕はコラムで「戦争広告代理店」という本について幾度か書いていますが、この本はボスニア紛争においての「情報操作」について解説しています。現在、日本も含めて世界中でSNSによる情報操作が問題になっていますが、よく考えたら30年以上前からはじまっていたことがわかります。

この歌を聴くと、「情報」を受ける側の難しさを考えてしまうのですが、民主主義ってむずかしいです、はい。

それでは、また。

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