歌:松山千春
作詞作曲:松山千春
1980年1月21日にリリースした8枚目のシング

おそらく60才半ばからそれ以上の人は、絶対に失恋ソングの上位に推すと思うくらいの名曲です。抒情たっぷりの演歌のようなフォークソングです。

♪カギはいつものゲタ箱の中

生活感があふれる歌詞です。僕の勝手な想像では高円寺あたりのアパートではないでしょうか。

♪きっと貴方はいつものことと
♪笑いとばすにちがいない

この歌詞には、女性の「本当は別れたくない」という未練が感じられます。それがいいですね。

♪洗濯物は机の上に
♪短い手紙そえておくわ

いやぁ~、これも生活感が伝わってくる歌詞ですが、この時代は「女性は尽くすもの」という風習といいますか、慣習といいますか、社会規範といいますか、今の時代とはちと違った通念があったように思います。なにしろ都はるみさんの「浪花恋しぐれ」というヒット曲には「芸のためなら女房も泣かす」のが一般的だったのですから。

「浪花恋しぐれ」より現代的な男女の恋物語ですが、ダメな男に惚れる女性はいつの時代もいますよね。実は、この歌の歌詞は意外に長いのですが、このあと松山さんは歌詞は素朴なほうがより魅力的なのではないか、と思いとてもシンプルな歌詞の歌を発表するのですが、そのような気持ちに至る気持ちをラジオで聞いたことがあります。

打算がある場合は別ですが、純粋に人を好きになるときは「相手がどうの」とか「自分がどうの」というようなことは全く関係なく、ただ「一緒にいたい」という気持ちが強くなっています。そうした精神状態ですから、

♪女はいつも 待ちくたびれて
♪それでもいいと なぐさめていた
♪それでも恋は恋

なのでいつの時代も「ロマンス詐欺」がなくならないんですね。本当はそんなスケコマシ男なんかにひっかかってほしくないんですけど。

それでは、また。

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