太陽の破片

1988年6月発売 尾崎豊7枚目のシングル
作詞作曲:尾崎豊

いつものことですが、僕は尾崎さんの熱心なファンではありません。そんな僕が尾崎さんに興味を持ったきっかけはこの歌だったように思います。曖昧な書き方しかできないのは、もうかなり前過ぎて記憶が定かではないからです。

尾崎さんの代表曲といいますと、本来ですと「I LOVE YOU」のほうが有名かもしれません。僕自身も先に知ったのが「I LOVE YOU」なのか「太陽の欠片」なのか全く自信がありません。ただ、「夜のヒットスタジオ」(以下:夜ヒット)に出演したときの映像は覚えています。と言いつつも、実はこの夜ヒットの映像も生のリアルタイムで見たのか、あとから見たのか曖昧なのが正直なところです。

なぜならば、「夜ヒット」に出演したのが’86年となっているのですが、86年と言いますと僕はすでにラーメン店を開業しています。当時お店の定休日は水曜日でしたので、「夜ヒット」を見られるはずがないのです。ですので、なにか特別な理由もない限り僕は尾崎さんの「太陽の破片」を生で見ていないはずです。開業して数年は緊張していましたので、休業日以外を休むなどという大それたことはしていないはずです。そうしますと、やはり生では見ていないはずなのですが、見た気がしているのですよねぇ。不思議…。

この歌は尾崎さんが「覚せい剤取締法違反」で逮捕されたあとの復帰第一作でした。そうしたことを思うとき、この歌の歌詞はぴったしだったのですが、転んでも「ただでは起き上がらない」のはやはり天才たるゆえんでしょう。夜ヒット番組内で、ゆっくりとバラード調で歌いあげ、絶叫している様は復帰第一作にふさわしい映像でした。

尾崎さんで僕が思い出すのは、実は尾崎さんではなく幻冬舎(出版社)の見城徹さんです。見城さんの本に尾崎豊さんとの関係がつづられているのですが、その本によりますと、頼る人がいなくなった尾崎さんは見城さんにビッタリな生活を送っていたようです。ヒット曲が生み出せず苦しんでいたときに見城さんだけが支えていた様子が書いてあるのですが、それが本当であったなら見城さんなくして尾崎さんの成功はなかったことになります。

この歌の歌詞は、どこかキリスト教めいた映像が思い浮かぶのですが、尾崎さんが浜田省吾さんのファンだったことと関係しているようにも思えます。浜田さんの楽曲の幾つかもキリストを思わせる歌詞があるのですが、それと重なるものがあるからです。

♪昨晩 眠れずに 失望と戦った

♪昨晩 一晩中 欲望と戦った

宗教っぽさを感じずにはいられない歌詞です。

♪誰も手をさしのべず なにかにおびえるなら
♪自由 平和 そして 愛を何で示すのか

これも同様です。

「手をさしのべず」と「さしのべてはいない」のですが、人間が天に向かって手をさしのべている姿は、人間がなにかにすがる気持ちを描いているように思えます。またバラード調のメロディー相まって宗教っぽさを強調しているようにも思います。

この楽曲の題名は「太陽の破片」なのですが、僕はずっと「太陽の欠片」と思っていました。「欠片」のほうがタイトルっぽい雰囲気を醸し出しているように勝手に思い込んでいたのですが、歌詞全体を読みますと、やはり「欠片」よりも「破片」のほうがふさわしい感じがしました。ちなみに、「破片」とは「涙」のことのようです。

それでは、また。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする