Song for U.S.A.
1986年6月5日リリース
作詞:売野雅勇/作曲・編曲:芹澤廣明
チェッカーズの11枚目のシングル
とてもスケールの大きいメロディーで歌詞ですが、これはチェッカーズというよりも作詞の売野さんの心模様を描いたように思えて仕方ありません。売野さんはコピーライターから作詞家に転じた方ですが、このコースは結構多いパターンです。よくは知りませんが、コピーライターという職業はいつまでも続けられない職種のようで、みなさんコピーライターをステップにしてほかの職業に転じている人が多くいます。売野さんが作詞家に転じるきっかけになったのは中森明菜さんの「少女A」だそうです。
♪桟橋で君を抱きしめ
♪見果てぬ夢を夢中で話していたね
僕の世代は「アメリカングラフィティ」に夢中になった人が多いはずですが、この歌詞はまるでハリウッドの青春映画の一場面を彷彿させるものがあります。「アメリカングラフィティ」は高校卒業の最後の一晩を描いた作品ですが、若者から大人へ、そして田舎者から都会人へと移り変わっていかなければいけない転機を見事に描いた青春映画でした。
♪This is Thd Song fou U.S.A
という歌詞からも、売野さんのアメリカに対する思いが伝わってきます。そういえば、この頃って浜田省吾さんもアメリカを題材にした作品を数多く発表していますが、80年代はそういった時代だったのかもしれません。アメリカに憧れる若者がたくさんいる、という意味で。
売野さんはチェッカーズでヒットを連発するのですが、その後はまったくジャンルの違う音楽の世界に転じています。これはクリエイティブな仕事に就いている人によくあるパターンですが、お金を稼ぐために「ヒット狙い」を続けたあと、一財産を築いたあとは本当に自分の好きな方向に進む人がいます。
プロ野球で成功した選手が、自分の好きなことを仕事にできるのは本当に幸せ者です、と話していましたが、好きなことでお金を稼ぐのは本当に難しいものがあります。自分の「好きなこと」と世の中の「好きなこと」がマッチしなければできないことですから。世の中の「好きなこと」はどんなに自分があがいてもできません。まさに運次第ですね。
それでも、僕は頑張っていきたいと思います。
それでは、また。