青い影(A Whiter Shade of Pale)
リリース:1967年5月12日
作詞:キース・リード 作曲:ゲイリー・ブルッカー
歌:Procol Harum
この歌は大分前からいろいろな場面で聴いたことはあったのですが、そのときは単に「いい歌」と思っていただけでした。しかし、10年くらい前にYouTubeでゲイリー・ブルッカーさんがピアノでの弾き語りの動画を観て、とても感激したのが「大好き」になったきっかけです。
この歌の動画はいくつもアップされているのですが、僕が断然「素敵ー!」と思うのは、デンマークで行われた野外でのコンサート(Procol Harum – A Whiter Shade of Pale, live in Denmark 2006)です。オーケストラと一緒にピアノの弾き語りをしているのですが、そのときの表情はたまったものではありません。素敵すぎて!
イントロはオーケストラではじまるのですが、自分が歌いだすまでの前奏で、オーケストラを見ている様が白髪とシワが刻まれた表情は観る人たちを引き付けてやみません。また、この前奏のときのカメラワークも絶品です。デンマークですので、北欧の美女の方々を随所に入れているのですが、その入れ方のタイミングも絶妙でした。そして、いよいよブルッカーさんが歌いだすのですが、そのしわがれた声質がまたなんとも言えず魅力的です。一気に宗教の世界へと引き入れます。
そうなんです。この歌って宗教っぽいのですよね。先月「小説ユーミン」の本についてコラムを書きましたが、ユーミンさんもこの楽曲に影響を受けたと書いてありました。ユーミンさんの「翳りゆく部屋」ってまったくもって宗教っぽいですよね。「青い影」に影響を受けたのが想像できる歌です。
いろいろな記事を読みますと、この歌の訳詞はいろいろと諸説があるようで、世界的に物議を醸しているそうです。ただ、全体的に言えるのは、「妻の浮気がばれたときの妻の表情が青ざめていく様子を歌った」というところでしょうか。邦題の「青い影」とは少しばかり違っているようですが、なにしろ1967年ですからおそらく訳詞も適当だったのではないでしょうか。こんなことを言っては怒られますか。
それはともかく、歌詞の内容はわからずとも雄大で荘厳的なメロディーだけでこの歌の魅力が伝わってきます。なにしろ、僕なんてこの歌を知った当初は歌詞の内容などわからず好きになっていたのですから。
やっぱり、歌って「メロディー」が一番重要ですよねぇって思わされる楽曲でした。ちなみに、ゲイリー・ブルッカーさんは2022年にお亡くなりになっています。もう歌声を聴くことができないのはとても残念です。
余談ですが、僕が人生で最初に買った洋楽は「悲しき鉄道員」という歌です。どうして買ったのかは定かではありません。
それではまた。