1996年2月29日に発売されたTHE YELLOW MONKEY9枚目のシングル
作詞・作曲:吉井和哉
僕がこの楽曲を知ったのはほんの数年前です。発売からかなり遅れているのですが、この楽曲を知ったのは、誰のエッセイかは忘れてしまったのですが、その方が
♪外国で飛行機が墜ちました
♪ニュースキャスターは嬉しそうに
♪「乗客に日本人はいませんでした」
という歌詞を紹介していました。もちろん、「日本人さえ助かればいい」というふうに受け取れるキャスターの言い方に作詞の吉井さんが違和感を持った気持ちを歌っています。エッセイの中では「名曲」として紹介していましたが、多くの人がこの部分に共感したのではないでしょうか。
僕は、このエッセイを読んで思い出したことが2つあります。一つは今ではかなり年齢を召していますが、まだ若かりし頃の木村太郎さんがテレビのカメラに語りかけていた映像です。木村太郎さんは元NHKのキャスターでのちに民放に移行してからも人気のあった方です。その木村さんが外国での事故を伝える際の内容について話していました。
「このようなケースで『日本人の情報』を伝えると、必ずと言っていいほど「日本人のことだけを伝えるのは不公平」という意見が番組にきますが、私は「『日本人の情報』を真っ先に伝えるべきだと考えています」と話していました。
理由は至極シンプルで、「この番組が、日本の番組で視聴者のほとんどが日本人なので、親族や友人知人の有無を知らせるため」に「日本人の有無」を真っ先に伝えることは絶対に必要と語りかけていました。僕は納得しました。
あと一つ思い出したことはフォークシンガー・井上陽水さんの「傘がない」という楽曲です。この楽曲の歌詞には「自殺する若者」のことや「政治」について書きながら、でも僕の一番の問題は「傘がない」ことと歌っています。社会のいろいろな問題点に触れながらも僕の一番の思いは「傘がなくて濡れるけれども、君に会いに行きたい」ことなんです。
「jam」を歌っているイエローモンキーさんは風貌はロックですが、歌詞の内容はフォークのメッセージソングです。僕にはそう感じました。そして、僕が驚いたのはそうした楽曲がヒットをし、そして、「名曲」として残っていることでした。
そうではありながら、選挙の投票率はずっと低いんですよね。このギャップをいったいどのようにとらえればいいのか。僕にはそれが疑問です。
それでは、また。