1987年7月22日に発売された甲斐よしひろの4thシングル
作詞作曲:甲斐よしひろ
僕はこれまでに「甲斐バンド」さんの楽曲を何曲か紹介していますが、その「甲斐バンド」さんが解散して、甲斐さんが一人で活動をしていたときの楽曲です。この歌で最も印象に残っているのは
♪Call My Name 抱きしめて
の部分なんですね。理由は、この歌がヒットしたとき僕はラーメン店を開業して1年を過ぎた頃だったのですが、この歌が好きで好きでお客さんがいないときとかに、いつも大きな声で口ずさんでいました。「大きな声」ですので「口ずさむ」はないですが、とにかく歌っていました。
僕の悪い癖で、気に入った歌があると何度でも繰り返し歌うのですが、ちょうどその頃バイトをはじめて1年を過ぎたバイトの学生さんがいました。僕はその学生さんを「フクちゃん」と呼んでいたのですが、ある日「フクちゃん」が僕の歌にアドバイスをしてくれました。
この歌の一番盛り上がるといいますか、サビの部分は先ほど書きました
♪Call My Name 抱きしめて
なのです。ですので、僕はいつも気持ちよさそうに英語の部分を「カー、モ、ネ~」と歌っていたのですが、フクちゃんは「そこ違いますよ」、と正しい歌詞を教えてくれたのです。僕は思わず「えっ?」と驚いたのですが、フクちゃんはギターのサークルに入っており、「ビートルズがとっても好き」な学生さんでした。
つまり、フクちゃんは昔でいうところの「洋楽」に精通している学生さんだったので、英語の発音を正しく理解していたのです。あとで調べたところ、フクちゃんの説が正解であることがわかり感心したのでした。やっぱり英語のリスニングってむずかしいですよね。英語を聞くといつも僕はフクちゃんを思い出します。
この歌はなんといってもメロディといいますか、リズムがいいです。僕が「いい歌かどうか」のバロメーターになるのは、歌を聴いていて右手が上に上がるかどうかなんですが、この歌は絶対に上がります。しかも、肩のあたりで人差し指を幾度かリズムをとって、サビの部分で高く上がります。そうなる歌が「僕の好きな歌」ということになります。
前に書いたかもしれませんが、甲斐さんの歌詞は映画をヒントにしていると思っていて、しかもフランス映画です。この歌詞もそう思わせる内容になっていますが、歌詞はどこかにとっかかりを探すとしても、メロディーってどうやって思いつくのでしょう。
話は変わりますが、甲斐さんって若い頃は「尖っていた」印象がありますが、甲斐バンドが解散したのも、バンド内での人間関係がいろいろ複雑だったのでしょうね。僕は友だちがいないことで、家庭内で有名なのですが、唯一つきあいが続いているのはラーメン店時代に働いてくれていた学生さん2人なんです。彼らももう50歳を優に超えていますが…。
「尖っている」といいますと、小田和正さんを思い出すのですが、年末の「クリスマスの約束」という番組を少しだけ見ました。娘から「面白かったから見て」とメールがきたからですが、娘には悪いですが僕は今一つでした。この番組は年に一回放送される長寿番組で、昨年が最終回ということでしたが、最初の頃こそ好きだったのですが、次第に飽きて観なくなりました。
飽きてきた理由は、番組の編成に疑問を感じるようになったからです。この番組は観客がいることが特徴なのですが、小田さんが歌うときは必ずお客さんの表情をアップで映していました。感動している表情をとらえるのを番組の魅力としているようでしたが、そのその映し方、お客さんの選び方に疑問を感じるようになっていました。
なにしろ、きれいな若い女性ばかりを選んでいたからです。しかも、映し方も業界の人がよく使う、いわゆる「抜く」という感じなのですが、きれいな若い女性のアップを抜いている映像方法が好きではありませんでした。さらに言うなら、その女性たちが「サクラ」のように思えたからです。
「きれい」もレベルがかなり高い「きれい」ですので、素人ではない印象を持ちました。些細なことではあるのですが、それが気になって気になって次第に「飽きてきた」につながったわけです。人間って、ほんのちょっとしたことで気持ちが変わりますよね。
もしタイトルが「レイン」ではなく「あめ」だったら、好きにならなかったでしょう。
それでは、また。