勝手にシンドバッド

歌:サザンオールスターズ(1978年6月25日に発売
作詞作曲:桑田佳祐

サザンオールスターズのファンが集う店は幾つかあるらしいのですが、そのうちの1店の前を2週間に1度通っています。6年前に仕事先に向かう途中で初めて発見したのですが、「こんなお店があるんだ」と感激した覚えがあります。あとで調べますとサザンのファンが集まるお店というのが数店舗あるそうで、たまたま僕が知らなかっただけで、全国レベルで見ますとそれほど珍しいことではないのかもしれません。

お店を営んでいた身としては、そうした発想を思いつくこと自体が「すごい!」と思うのですが、客層を絞るという点では正解なのではないでしょうか。人気のないバンドやアーティストですとあまり客数も望めませんが、サザンほどのビッグバンドですとお店の経営視点でも十分利益が見込める集客になるように思います。

サザンのリーダーである桑田さんはバンドのほかにもソロでも活動していますが、僕としてはどちらもほぼ同じような感覚でいます。なにしろほぼ桑田さんの作詞作曲なのですから、しかも歌っているのもバンドでも桑田さんなのですから、僕がそのように感じるのももっともなように思ってしまいます。

個人的には桑田さんの「バラード調」の歌が好きなのですが、この「勝手にシンドバッド」は「バラード」とは正反対なポップもポップ、なにを歌っているのかわからないほどめちゃくちゃ早いテンポです。実際、最初にテレビで見たときは歌詞がわからず、あとからレコードで見て初めて歌詞の内容を理解しました。僕の周りの人たちもほとんど同じでしたから、ほとんどの人が同じ感想だったと思います。

実は、この歌を今週取り上げようと思ったきっかけは、サザンもしくは桑田さんとは全く関係人の記事をたまたま読んだからです。その人とは、これまで幾度か紹介しています「甲斐バンド」の甲斐よしひろさんの記事でした。

甲斐さんはニューミュージックという表現をしてよいのか迷いますが、戦後の歌の世界とは全く異なった世代の第一世代を、先日活動終了を発表しました「よしだたくろう」さんや「井上陽水」さんとしますと、その第二世代にあたる世代です。このあとに「XJAPAN]とか「Boowy」、そして「B’z(ビーズ)」以降90年代半ばには似たようなバンドが続出するわけですが、どちらにしてもバンドの草創期に活躍した方です。
(この分け方はあくまで僕の個人的見解ですので、なにとぞご容赦を…)

その甲斐さんが、サザンがデビューしたときに「真っ先に電波に乗せて紹介していた」という記事を読みました。それが今回この歌を紹介しようと思ったきっかけです。サザンのデビューは1978年ですが、その当時甲斐バンドはすでに大御所に上り詰めていました。その甲斐さんが「勝手にシンドバッド」を聞いて、この歌がヒットしなかったから甲斐バンドも売れないとラジオで語っていたそうです。

サザンのこの歌は当時の歌の世界では、おそらく〇〇だったのではないでしょうか。なぜなら歌のテンポが早すぎて「なにを歌っているのか、わからない」からです。おそらく昔ながらの音楽関係者の間では「こんなのは歌ではない」と認めなかったように想像します。そんな中甲斐さんが推したことがヒットのきっかけになったように思います。

♪江の島が見えてきた 俺の家も近い

当時、若者は江の島をおしゃれな街として認知していました。そういえば片岡鶴太郎さんが喫茶店のマスターを演じていたおしゃれなドラマも見た記憶があります。それほど江の島とか湘南は若者が憧れる街になっていました。

そうした時代をうまく掴まえていたところもこの歌がヒットした理由のように思います。

それでは、さよなら。

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