作詞作曲 荒井由実
ハイ・ファイ・セット(デビュー・シングルとして1975年発売)
*フォークグループ「赤い鳥」が路線上の違いから1974年9月に解散。「赤い鳥」のメンバーだった山本潤子(旧姓、新居潤子。1973年4月メンバーの山本俊彦と結婚)、山本俊彦(1947年2月23日 – 2014年3月27日、大阪市出身)、大川茂(1945年9月6日 – 、三重県出身)の3人が同年10月に結成した。グループ名は細野晴臣の案
今回調べるまでこの歌がハイ・ファイ・セットのデビュー曲とは知りませんでした。僕がハイ・ファイ・セットを知ったのは学生時代に「HI-FI BLEND」というベストアルバムを聴いてからです。このアルバムは「大学生のための歌」といった感じで作られているのですが、その中の最後に収められているのが「卒業写真」です。
作詞作曲が荒井さんですので、荒井さんも歌っているのですが、“断然”と言っては荒井さんに失礼ですが、“断然”山本さんの歌声のほうが素敵です。この歌のほかにも幾つかハイ・ファイ・セットが歌っている歌がありますが、誠に申し訳ありませんが、山本さんが完勝です。
そうは言いましても、作った人の才能が減じられることは全くありません。それどころか創作力の凄さを浮かび上がらせています。確かに山本さんは素晴らしい歌声の持ち主ですが、その声も素晴らしい歌に出会ってこそ開花するものです。その意味で言いますと、「卒業写真」という歌は荒井さんと山本さんの二人が出会ってこその名曲と言えます。
歌詞の量はあまり多くはないのですが、心に染み入る珠玉の言葉が並んでいます。
♪人ごみに流されて 変わってゆく私を
♪あの頃の生き方を あなたは忘れないで
♪あなたは私の 青春そのもの
これを名曲と言わずなんと言いましょう。
今回調べて驚いたのですが、この歌をカバーしている人のなんと多いことよ。それだけ名曲であることの証ですが、僕のような中高年だけではなく若い人たちにも受け入れられていることがなによりうれしい限りです。
年代は変わろうとも、「みんなの心に染み入る光景は同じ」ということを知りました。おそらくこの歌の言いたいことは「どんなに年月を重ねようとも、純粋であれ!」ではないでしょうか。
また、次回。