メロディー

玉置浩二さんの10作目のシングル。1996年5月22日に発売
作詞・作曲・編曲:玉置浩二
TBS系列『筑紫哲也 NEWS23』エンディングテーマ曲

ここで紹介する楽曲はヒットしたときではない頃に、なにかのきっかけで知った楽曲、つまり時節外れということですが、そうした例が多いのですが、珍しくこの歌はヒットというか発売したときにいい歌と思った歌です。定かな記憶ではないのですが、筑紫哲也さんのニュース番組に使われていたからだろうと思います。

当時、僕は筑紫さんのニュース番組を見るのを日課にしていたのですが、筑紫さんを信頼できるジャーナリストだと思っていました。その頃はちょうど田原総一朗さんもジャーナリストとして人気を博していたと思いますが、田原さんはパフォーマンスが過ぎる印象を受けていました。

田原さんはテレビ朝日で「朝まで生テレビ」で人気が沸騰していましたが、その番組のウリは出場者が感情的になって言い争いをする光景でした。そうした演出を得意とする田原さんでしたので、僕は今一つ信用を置けないように思っていました。僕はパフォーマンス狙いの人をあまり好きにはなれないのです。

その意味で言いますと、玉置さんはパフォーマンスではなく、実力で音楽界に君臨しているように思っています。YouTube でも玉置さんの声を「神の声」などと称賛する声がありますが、本当に心の中に響き渡る歌声です。

ですが、僕が玉置さんで一番記憶に残っているのはNHKで出演したドラマです。実は、僕は見てはいないのですが、なにかで「とてもいいドラマ」と評されていて、僕はたったの数秒映し出された軍服姿の玉置さんしか見ていないのですが、なぜかこのときの玉置さんの姿が記憶に刻まれています。玉置さんは演技者としての評価も高かったはずですが、俳優としてではなく、歌い手として活動するほうを選んだようです。

それはともかく「メロディー」です。

♪あんなにも好きだった きみがいたこの町に
♪いまもま大好きな あの歌は聞こえてるよ

この出だしで「メロディー」が主役であることが伝わってきます。玉置さんのお師匠さんは井上陽水さんなのですが、バンド時代に井上さんの前座を務めていたそうです。二人で歌っている「夏の終わりのハーモニー」は絶品ですが、これほど歌声が合っている人はいないでしょう。

陽水さんといえば、ユニコーンの奥田さんとも仲がよいのですが、麻雀仲間の縁で二人でアルバムを作ったことがあったのですが、陽水さんは奥田さんのアルバムの作り方に納得できないことがあったようで、なにかのインタビューで「とことん突き詰めないだよねぇ」と陽水節で話していました。

陽水さんは玉置さんについて、「北海道から出てきた当時は、歌詞の作り方を知らなかった」と笑いながら話していたことがあるのですが、やはり歌詞にはプロなりの作り方があるのですね。当然といえば当然ですが、陽水さんがそのようなことを言ったのが驚きでした。

僕は玉置さんの歌ではこの「メロディー」も好きですが、「MR.LONELY」という歌も好きです。この歌は出だし声を発する前の前奏にギター音で「ボン、ボン、ボン」と入るのですが、その音階がとても心地よいのです。僕に音楽の才能があるならこの「ボン、ボン、ボン」を音階で説明できるのですが、悲しいことに音才がないので悔しいです。

歌い手の中には、元々のメロディーを崩す人がいるのですが、玉置さんは崩すことが全くなく、常に楽譜どおりのメロディーで歌っています。それを尊敬しています。歌手の方も人間ですので同じ歌ばかりを歌わされていると「飽きる」ので、ついつい崩しがちですが、玉置さんはそんなことはしません。しかも、昔と同じような声を出しています。それも尊敬に値することです。

♪あの頃は なにもなくて
♪それだって 楽しくやったよ

そうなのです。若いときは「なにもない」のが普通ですが、だからこそ純粋で楽しいのですね。プーチンさんも昔の純粋だったころを思い出して、早く侵攻をやめてほしいものです。

それでは、また。

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