赤い糸の伝説

1976年4月25日発表 NSP(エヌエスピー)
作詞作曲:天野滋(リーダー)

この歌を知ったのは青春真っ盛りの高校から大学に進学するあたりだったでしょうか。天野さんの切ない声に心を癒された記憶があります。ご存じない方は是非ともyoutubeで聴いてほしいのですが、「切ない」という言葉がまさにピッタリの声をしています。

 

歌詞の内容は「運命の赤い糸」の伝説からきているのですが、「いつか結ばれる男と女は、足首を赤い糸(赤い縄)で結ばれている」という内容です。中国に発し東アジアで広く信じられている伝説だそうですが、若いうちは恋は運命とどうしても関連付けて考えたくなるものです。そのほうが断然ロマンティックじゃぁ、ないですか。

 

僕もいつかそういう人が現れないかなぁ、などと思っていたものです。青春の一コマですから何卒お許しください。天野さんのメロディーはどこか共通点といいますか、雰囲気がありまして、前奏からメロディーを聴いただけで「あ、天野さんの歌だ」と思わせるものがあります。

 

NSPにはこのほかに「夕暮れ時はさびしそう」とか「線香花火」、デビュー曲の「さようなら」などいかにも天野メロディーと思わせる名曲があるのですが、「さようなら」は「さよ」のところで伸ばすので、「よ」の子音である「お」が長く続くので、そのあとに「なら」を歌いますと、結果的に「おなら」となるのですね。僕が小学生でしたら、絶対に受けるところです。

 

でも僕は当時もう20才くらいでしたので、そこではあまり心を動かされなかったのですが、シングル13弾の「八十八夜」には心揺さぶられました。

 

♪ひきだしの中からあの人の写真
♪みんな棄ててしまったはずなのに

 

この出だしはなんとも衝撃的な内容です。詳細まではわかりませんが、好きで別れた男性のことを綴った歌詞なのですが、結婚前夜にその写真で思い出がよみがえってくるのですね。

 

♪昨日までのあの人を忘れられないのは
♪私の弱さでしょう

 

いえいえ、弱さではありません。と僕はこの女性に言ってあげたいですね。素敵な思い出は心の中にしまって、それから現実の世界で幸せに生きのもひとつの人生です。以前、白石一文さんの同名小説を映画化した『火口のふたり』を観ましたが、この映画は女性が結婚する前にかつて好きだった彼氏と愛をむさぼる映画です。好きな人と結婚できるとは限らないのが人生の難しであり、楽しさですが、思い通りにいかなくても進んでいくのが人生です。

 

そして、なにが幸せになるかは「棺(かん)を蓋(おお)いて事(こと)定まる」の格言どおりです。

 

それでは、また。

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