揺れる想い

ZARDの8作目のシングル 1993年のシングル年間チャートで9位
歌:ZARD
作詞:坂井泉水
作曲:織田哲郎

坂井さんの作詞にはなっていますが、一部の人たちからはずっと影武者がいるという噂が絶えない歌でした。実は、僕もその噂に賛同する一人なのですが、その理由はドキュメントふうの制作風景に違和感を持ってしまうからです。

どうしてもドキュメントではなく、リアリティーショーに見えて仕方ありませんでした。それを一先ず置いておくなら、この歌は軽快でポップでとても素敵な歌詞でありメロディーです。

作曲は織田哲郎さんですが、同時期にヒットを飛ばしていた作曲家と言いますと、小室哲哉さんが思い浮かびますが、織田さんは小室さんとは少しばかり雰囲気が違っているように感じていました。どう違うか、と言いますと、小室さんほど「売れたい」「名を成したい」という欲望が強くない感じです。あくまで僕の個人的な感想ですが、あまり前面に出るのは好きではない印象も受けていました。

WAVDS、大黒摩季、T-BOLAN、DEEN、ZYYGさんたちがヒットを飛ばしていいた当時を「ビーイングブーム」というらしいですが、今でいうところのマーケッティングのうまさでヒットを連発したように思っています。坂井さんをメディアにあまり登場させない売り出し方もそうですし、CMとタイアップする手法も、それ以前もありましたが、一挙に多数のアーチストで成功させたのはやはりすごいことです。

僕がZARDさんに関することで記憶に残っているのは、当時僕はラーメン店を営んでいたのですが、たまに食べに来ていたOL風の女性の姿です。その女性はテーブルの上にZARDさんのCDを置き、イヤホンで聴いていました。口の動かし方からおそらく「負けないで」を歌っていたのだと思いますが、ZARDさんの全盛期を過ぎた頃でしたのでとても印象に残っています。

坂井さんは若くしてお亡くなりになっていますが、全盛期でもコンサートはフィルムコンサートだったそうです。ですので、今でもフィルムコンサートにファンが集っているそうですが、ビジネス的に考えますとこれほど効率のよいやり方はありません。ですが、それでもファンの方々が納得しているのであれば、それはそれでよいことだとは思います。おそらくその会場に集まる方々は、同じ感性の人たちが集まることに喜びを感じているのでしょう。そんな気がします。

ZARDさんの映像を見ていて僕が感心するのは、撮影をした方の感性です。清純で素朴で美人で、と坂井さんの魅力を見事に映し出しています。映像で出ることが多い坂井さんですので、本当に坂井さんの魅力を作っているのは、この撮影している方ともいえそうです。

♪好きと合図送る 瞳の奥
♪覗いてみる振りして キスをした
♪すべてを見せるのが 怖いから
♪やさしさから逃げてたの

坂井さんかどうかは別にして、まるで少女コミックに出てきそうな映像が思い浮かぶ歌詞ですが、これもすべて坂井さんという素朴な女性を作り上げるのに貢献しているのは間違いありません。

しかし、この歌の一番の魅力はメロディーです。織田さんの作曲なくしてこの歌の魅力はあり得ないと言っても過言ではありません。

それでは、また次回。

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