FAREWELL PARTY フェアウェル パーティー

FAREWELL PARTY フェアウェル パーティー
作詞作曲:荒井由実
歌:ハイファイセット
収録アルバム:ファッショナブル・ラヴァー 1976/06/05

収録アルバムが「ファッショナブル・ラヴァー」となっていましたが、僕が知ったのは「ファイファイブレンド」というアルバムです。いつも書いていますが、どんな歌もアーティストも熱烈なファンということはなく、すべて「好き」になってからその周りのことを知ることになります。

この歌もなにかのきっかけで「ファイファイブレンド」を聴くことがあり、当時の大学生の実態を本当にうまく描写した歌詞だと思いました。しかし、僕の大学生活とは少しばかり違っていましたので、僕自身はこのような経験はありません。どこはかとなく、この歌はリッチな若者の青春像を思わせますが、日本というよりもアメリカの青春映画に出てきそうな場面を描写した歌詞のように感じます。

♪なれないネクタイ カガミみてむすんだ
♪ちょっとめかしこんで Farewell party

♪こわい先生も ただのおじさん
♪ビールついでくれる Farewell party

学生時代は師弟といいますか、上限関係がありましたが、卒業したなら単に人と人の関係です。そこには上下関係などありません。昔「青春の旅たち」というリチャード・ギアが主演した若者の映画がありました。その中でリチャード・ギアが上官に徹底的にしごかれながら卒業が決まったあと、上下関係が逆転する場面があるのですが、世の中の道理を知らされた映画でした。

「Farewell party」もまさにそれまで社会人として認められていなかった学生が大人の仲間入りをする儀式ともいえそうです。軍隊のような厳しさはありませんが、区切り・仕切り場面であるのは同じです。そんな大学生活ですが、実は僕は30才過ぎまで日本の大学の進学率が50%前後であることを知りませんでした。僕の周りの人たちは進学をするのが一般的発想の人ばかりでしたので、世の中を知らない僕はそれが普通だと思っていました。

ですので、現実は「Farewell party」を経験するのは世の中の半分の人たちだけということになります。それ以外の人たち、つまり高卒で社会人になった人たちは18才ですでに大人の仲間入りをしていたことになります。尊敬以外にありません。

僕はたまたま進学するのが普通の環境にいたのですが、家がそれほど豊かでないことを感じていた僕は高卒で働くつもりでいました。しかし、親からの勧めがあり進学したのですが、社会人になってからは進学した意義を感じることはあまりありませんでした。僕は新卒で就職して数年で会社員生活をやめてしまいましたので学歴はほとんど意味がなかったからです。

この歌を歌っているのはハイファイセットですが、このグループは元々は赤い鳥というフォークグループ出身の3人組です。ボーカルの山本さんとその旦那さんとあと一人素敵な声の男性の3人組なのですが、この魅力的な声の男性の方がのちに衝撃的な事件を起こしました。

なんと深夜にスーパーに忍び込み窃盗で捕まったのでした。僕からしますと結構売れていましたのでそれなりに収入があったはずと思いますが、盗みをしなければいけないほど生活に困っていたようです。本当に驚きでした。3人での活動がなくなったあと、山本さんは一人で音楽番組に出演したりコンサートをやったりしていましたが、旦那さんがお亡くなりになってからは全く活動をしていないようです。

吉田拓郎さんも活動を終えてしまいましたが、昭和がどんどん遠のいていく感じです。

それでは、また。

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