青春の影

1974年6月5日に発売されたチューリップの通算6枚目のシングル
作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ

僕の年代(1970年代後半が10代後半だった人たち)の人たちのバイブルといったら怒られるでしょうか。僕の記憶では、それほど大ヒットしたわけではなかったはずですが、多くの若者の心をつかまえていたように思います。僕の結婚式で、今でも連絡を取り合っている唯一の友だちがアカペラで歌ってくれた歌です。

このように書きますと、その友だちが歌がうまくてカッコいい感じがしますが、彼はそんなおしゃれな感じのひとではなく、今で言いますと「ダサい」部類に入る人物です。そんな彼が式を盛り上げようと無理して歌ってくれたのです。

「アカペラ」だった理由は、当時はまだカラオケがなかったからですが、豪華な式ですと生で演奏してくれる人がいそうですが、僕の結婚式はとても地味なものでした。なにしろお金がなかったので、本当は式など挙げるつもりはなかったのですが、世間体を気にする両親にお願いされて式を挙げたのが実態でした。

「地味」と言いますとどれくらい地味かと言いますと、一番わかりやすいのは式場の場所です。僕は「公民館」で式を挙げました。後にも先にも、未だかつて公民館で結婚式を挙げた人に出会ったことが一度もありません。それほど公民館で挙げる結婚式は珍しいものでした。しかし、風変わりな僕は「どれだけ続くかわからない結婚」をその始まりを豪華にすることに抵抗がありました。始まりなど「地味」のほうがよいのです。

その結婚式で友が歌ってくれた「青春の影」ですが、歌詞はまさに結婚式にふさわしい内容になっています。

♪とてもけわしく細い道だったけど
♪今君を迎えにゆこう

ときます。ね、これ結婚式用の歌詞と言っても過言ではないでしょ。

♪君を幸せにするそれこそが
♪これらかの僕の生きるしるし

じゃーん。これを「結婚式の歌」といわずなんといいましょう。でも、この歌詞に従うと「君を幸せにするために冒険などしてはいけない」と読めなくもないのですが、そこが少しばかり引っかかりますね。だって、ある程度冒険しないとやっぱり生きていけないじゃないですか。

恋愛感情ってながーく続かないことをそれとなく暗喩しているのが、最後の部分です。誰でもそうですよね。人間なんだから、「盛り上がる気持ち」って一時期で、それを過ぎるとほかの人に目が行っちゃうじゃないですか。あのイクメンぶりをアピールしていた柔道の前日本の前監督・井上康生さんでさえほかの女性との逢引きを報じられています。人ってわかんないですよねぇ。

この歌の最後はこれで締めくくられています。

♪今日から君はただの女
♪今日から僕はただの男

結婚しちゃうと、毎日一緒に暮らしていると、「ただの女」と「ただの男」になっちゃうんですよねぇ。そうしますと、自然にほかの異性に目が行っちゃうじゃないですか。個人差はあるでしょうが、誰もが通る道ですよね。これ、仕方ないですよ。ハイ!

それでは、また。

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