人形の家

1969年7月1日発売
歌:弘田三枝子
作詞:なかにし礼 作曲:川口 真

この歌は1969年に大ヒットした楽曲ですが、僕が弘田さんを知ったというか、好きになったのはテレビで放映していた「ジャングル大帝レオ」という番組で歌声を聞いたときです。「ジャングル大帝レオ」は僕が小学校の頃に夢中になったアニメですが、ジャングルで成長していく子供ライオンの物語です。

♪ボンバボンババ ボンバボバボバ 
♪ボンバボンババ ボンバボン

の前奏ではじまる…、、、???、、、???。違った。「ジャングル大帝レオ」は「ワーオワーオワオー」ではじまるのでした。しかもこの歌は主題歌ではなくエンディングの曲なのでした。番組の始まりに流れるのはもう少し壮大なイメージがする「ジャングル大帝のテーマ」( 作詞:石郷岡豪 作曲:冨田勲 歌:平野忠彦)という歌です。

この主題歌を聞いていますと、やはり思い出すのは劇団四季の「ライオンキング」です。昔から「ライオンキング」は「ジャングル大帝」のパクリと言われていましたが、この主題歌を聞きますと、一層その感を強くします。ちなみに、僕が最初に間違えた「♪ボンバボンババ」は「オオカミ少年ケン!」でした。

「ジャングル大帝レオ」は父親ライオンが子供ライオンに帝王学を教える内容ですが、親と子供の物語と言いますと、僕は「サスケ」というアニメを思い出します。僕が小学生の頃にテレビで放映されていた番組ですが、猿飛佐助とその父親「大猿」の物語です。番組の作り方に重みが感じられ、見ようによっては「暗い」という感じがしないでもありませんが、僕には重厚さとして感じられました。

子どもの頃はアニメの影響はとても大きく、大げさにいうなら人生観に影響を与える力もあるように思います。少なくとも僕は「巨人の星」の影響を受けており、人生の考え方の指針になっている部分もあります。

そんなことはともかく「人形の家」です。この歌は作詞が「なかにし礼」さん、作曲が「川口真」さんですが、ともにヒットメーカーですから、レコード会社の弘田さんに対する期待度がわかります。ウィキペディアによりますと、かなりの実力派だったようですが、僕がこの歌を好きになったのは歌詞を普通の日本語とは少しばかり異なった歌い方をしていたからです。

例えば「♪顔も見たくないほど」という歌詞を弘田さんは「♪かほも見たくないほど」と歌い、サビの部分の「♪私は~ あなたに~」のところは「♪私は~ はなたに~」と歌っていました。「あ行」をすべてとは言いませんが、多くを「は行」に変換して歌っていて、それをとてもカッコよく感じていました。

また、声量があるのも魅力でその二つが相まってこの歌をスケールの大きい楽曲にしていたように思います。しかも歌がうまい人の特徴の一つである「押さえたところでも、地声が大きく響く」という歌唱力を備えていました。おそらく弘田さんでなければこれほどヒットしなかったのではないでしょうか。そんなことさえ思わせる歌唱力でした。

そういえば、同じような衝撃を受けた歌唱法をやっていたのがBOOWYの氷室さんでした。氷室さんは日本語を英語っぽく歌った先駆者ですが、氷室さん以降はほとんどすべてのバンドのボーカルは似たような歌い方になっています。

今回この歌を調べいたところ、弘田さんのレコード一覧があったのですが、その中に作曲家・筒美京平さんの名前がありました。定期的に筒美さんが作曲をした歌を歌っているのですが、驚きなのはその時代にすでに筒美さんがヒットメーカーになっていたことです。僕のイメージでは2010年代くらいまで活躍していた印象がありますので、そうなりますと40年~50年間もヒットを続けていたことになります。驚異的です。

そんなことより弘田さんです。弘田さんは若い頃はチャーミングでかわいらしい顔立ちでしたが、のちに整形を繰り返すようになったと聞いていました。この年代の芸能人の方は整形が流行っていたことも影響しているのかもしれませんが、僕的には整形などせずに自然に老けていってほしかったと思っています。

それでは、また。

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