ダンシング・オールナイト

もんた&ブラザーズのメジャー・デビュー・シングル。1980年4月21日発売
作詞:水谷啓二 作曲:もんたよしのり

1980年発売となっていますが、僕が社会人になった年です。しかし、なぜか僕の記憶の中では中学生のときに学校から帰ってきて、寝転びながらTBSラジオで久米さんがこの歌を紹介している光景が思い出されるのですね。ちょうど、今みたいに夏の暑い盛りに畳でゴロゴロしながら久米さんの声を聞いていた覚えがあるのですが、なにかほかの歌と勘違いをしているようです。本当に人間の記憶ってあてにならないです。

この歌の魅力はなんといっても、もんたさんの歌声と歌声の間に刻まれるギターのリズミカルな音色です。なんとも軽快なテンポで心地よく響いてきます。

♪甘い時 はずむ心
♪一夜のきらめきに 瞳の中で
♪無邪気に踊ってみせる

1980年は、経済界的には一つのエポックとなった年で、その前年に「ジャパン アズ ナンバーワン ―アメリカへの教訓―」という本がベストセラーになっていました。なにがすごいって、敗戦の焼野原から努力に努力を重ね経済成長を続け、アジアの小国がついに「米国を抜いた」と、日本を大絶賛している本なんです。

ここから日本は80年代後半へのバブルへと向かっていくのですが、「イケイケ」の雰囲気が社会に充満していました。80年代半ばといいますと、僕はタクシーの運転手をやっていたころですが、「花の金曜日」を略して「ハナキン」などと言っていました。毎週金曜の夜はタクシーがつかまらないほど大衆の方々が遊びほうけていた時代です。基本的に僕は渋谷とか六本木などを流すのを常にしていましたが、六本木などは深夜まで酔客がウヨウヨしていました。まさに、浮世離れを実感していました。

そんなことはともかく、この歌で記憶に残っているのは長期間ランキング1位を続けていたことです。当時、TBSテレビの「ザ・ベストテン」という番組があったのですが、そこで連続で第1位を獲得していたはずです。

しかし、当時ジンクスがあり、あまりに「売れすぎると」「一発屋で終わる」というものですが、その例に漏れずもんた&ブラザーズも2曲目はまぁそこそこ売れましたが、3曲目4曲目とだんだんとランキングから消えていくようになりました。

もんたさん本人はシャガレタ声にあこがれて、わざと声をつぶしていたとインタビューで答えているのを聞いたことがあります。ですが、あまりしゃがれてしまいますと、「歌詞が全くわからない」のが難点です。

日本はバブルが弾けたあと、「失われた10年とも、20年とも、30年とも…」とずっと言われてきているのですが、僕からしますとこの歌は、そのバブルを象徴する楽曲というイメージがあります。

それでは、また。

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