明日への手紙

2016年2月10日発売
作詞作曲:池田 綾子
歌:手嶌葵

ご存じの方も多いでしょうが、フジテレビの月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(以下・いつ恋)」の主題歌です。このドラマ自体がとても素晴らしいドラマでしたが、そのドラマを引き立たせることに一役どころか二役も三役も買っていたのがこの楽曲です。プロデューサーの方は「手嶌さんのあの“声”こそが、このドラマの世界に必要」と思ったとのことですが、大正解でしょう。そのセンスに感動です。

せつない歌声が北海道の風景に見事にあてはまるのですが、登場人物たちの各場面での心の揺れにもぴたりと寄り添っていました。そのせつなさの声の持ち主は手嶌葵さんですが、おそらく多くの人が手嶌さん作詞作曲と思ったのではないでしょうか。それほど歌声が歌詞とメロディーに溶け込んでいました。

しかし、手嶌さん作詞作曲でないことでこの歌の魅力が失われることはありません。この歌は手嶌さんのために作られた歌と言っても過言ではありません。今回書くにあたり調べたところ、この楽曲は手嶌さんに提供されたと書いてありましたが、作詞作曲をした池田綾子さんが手嶌さんの魅力を理解していたともいえます。

冒頭で紹介しましたように「いつ恋」のプロデューサーさんが手嶌さんの歌声を気に入り、しかもこのドラマのためにわざわざ再レコーディングまでしたとのことですが、プロデューサーという仕事の奥深さを思わずにはいられません。こうしたことこそかつてのフジテレビドラマの真骨頂のように思います。もしかしたなら、あくまで個人的見解ですが、フジテレビの最後の名ドラマプロデューサーになるかもしれません。

「いつ恋」は2016年のドラマでしたが、もう6年も経つのですね。僕が見た最後のドラマです。登場人物がすごいですよね。有村架純、高良健吾、高畑充希、森川葵、坂口健太郎、西島隆弘、福士誠治、永野芽郁、松本穂香、高橋一生、満島ひかり、芳根京子(敬称略)。
今を時めく若手スターばかりですが、プロデューサーの方はよくぞここまで集めたものだと感動いたします。

実は、この中で僕が一番記憶に残っているのは「西島隆弘」さんです。この方がAAAというグループの歌手だったのを知らなかったのですが、ドラマの中で有村さんをあきらめたあと座り込んで夜空を向あげたときの表情を今でも覚えています。しかし、これ以降ドラマには出演していないのではないでしょうか。

さて、この歌は

♪元気でいますか。
♪大事な人はできましたか。

ではじまるのですが、僕の年代ですと「さだまさし」さんの

♪元気でいるか
♪仕事は慣れたか

の「案山子」を思い出す人も多いのではないでしょうか。それはともかく

♪元気でいますか。

で地方の自然の風景が思い浮かびます。この出だしだけで歌に惹きこまれていきます。

♪明日を描くことを止めないで

♪人は迷いながら揺れながら

♪明日を描こうともがきながら

♪今夢の中へ

生きることの大変さが伝わってくる歌詞に心が共感します。人生って大変ですよねぇ。ドラマの最後は最初に出会ったファミレスで有村さんと高良さんが向かい合うのですが、純粋な二人が幸せになることを願ってやみません。

それでは、また。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする