歌:ハイ・ファイ・セット
作詞:荒井由実 作曲:村井邦彦 編曲:松任谷正隆
♪トンタタンではじまるイントロがスーッと心にはいってきて、なんともいえず心を落ち着かせてくれます。
御多分に漏れず僕がこの歌に出会ったのはリリースされてからです。リリースされたのは2002年と20年前ですが、僕が初めて聴いたのはわずか1~2年前です。どのようにして知ったかといいますと、これもまた御多分に漏れず、YouTube様のお力添えによるものです。前に紹介したことがありますが、「海を見ていた午後」を聴いていたときに、おすすめ楽曲としてこの歌が出てきていました。
不思議なもので「出てきた」からといってすぐに聴くとは限りません。その意味ではyoutubeの言いなりでないことは今問題になっているマインドコントロールされているわけではないことの証明にはなりますが、それはともかくタイミングのめぐり合わせです。
誰の歌でもそうですが、好きな楽曲とそうでもない楽曲というのはあります。ですので、「おすすめ」されたとしてもすぐに飛びつくことはそうそうあることではありません。「海を見ていた午後」がハイファイセットの中で「一番いい歌」と思っている僕ですので、それ以上「いい歌があるはずがない」という思いもあり、すぐに「飛びつくような」行動はとりませんでした。
それがある日、なんの気なしに、本当にたまたま、浮気ごころでクリックしましたところ、出だしの♪タンタタンで心を鷲掴みにされてしまいました。人生たまには浮気もいいのかもしれません…、なんちゃって(おじさん)。
ちょっとばかし、寄り道。
今「鷲掴み」と漢字を書きましたが、少しばかり指が間違えてしまい「和紙妻み」と表示されました。面白かったので皆さんにお教えてした次第です。
それはともかく、♪タンタタンのイントロで心持っていかれた僕ですが、そのあとのなんとも心が落ち着く、ヒーリングというんですか、ちょっとした宗教のような心境にさせるメロディーが素敵でした。実は、歌詞自体は本当に短くて、時間も3分37秒と短いのですが、全く短さを感じさせないヒーリング感があります。
心が満たされる…。
「おすすめ」の欄には「隠れた名曲」と名打っていたのですが、そのキャッチにたがわない楽曲です。この歌が流れる間、youtubeの映像ではいろいろな場所の夕景が映し出されるのですが、どれもピッタリな映像です。このチャンネルの方のセンスを尊敬します。
実は、その後僕はある勘違いをしていました。それは題名を「幸せになるために」と勝手に「に」を余計につけていたことです。僕が間違って検索をしても、youtubeでは勝手にというか、気を働かさせてというか、「に」を省略して、きちんと検索してくれていましたのでハイファイセットさんのこの歌にたどりついてはいました。
ですが、同時にユーミンさんの「幸せになるために」という楽曲も表示させていました。実はすごいことに、ユーミンさんは「幸せになるため」という楽曲と「幸せになるために」という、「に」の一文字の「ある」「なし」の違いしかない楽曲を作っていたことをあとになって知りました。
当初そのことを知らなかった僕は、「ユーミンさんは、同じ題名で違う歌を作ったんだ」と勝手に思い込んでいました。ですので僕は、「同じ題名」で違う楽曲を作ったユーミンさんの才能を尊敬していたくらいです。あとになって自分の勘違いに気づいたのですが、今度は反対に「に」の「有・無」しかない楽曲を作ったセンスもまた素晴らしいなぁなどとも思うようになっていました。
そんなことはともかく…、
♪あの人も 仕事を終えて
♪今頃 家路をたどっているだろう
なんとも平凡な暮らしの中の幸せを感じさせる歌詞です。人生って、普通に暮らすことが一番幸せなのではないか、と思わせてくれます。前にも書きましたが、このような歌詞を書けるユーミンさんは天才です。
その天才が生まれた経緯についてこれまで、自宅に女子大生を招いて楽しい会話をし、その中には田中康夫さんなど、今でも有名になっている人が参加していることは書いたことがありますが、つい最近「ユーミンさん」の自伝のような本が出版されました。本を紹介する文章しか読んでいませんが、絶対に面白そうです。
僕は以前より、あまり歌がうまくないユーミンさんが「どうして歌うこと」にしたのか不思議に思っていましたが、そうしたことも書いてあるようです。そもそもユーミンさんという女性が音楽業界でのし上がっていくこと自体、時代を考えますと奇跡に近いのです。そこには坂本龍一さんなど超有名人がかかわっているようですが、そうしたことも書いてあります。一読の価値があること間違いなしです。
ユーミンさんのことばかりを書いてしまいましたが、この楽曲の魅力が伝わってくるのはなんといっても、ボーカルの山本さんの声があるからこそです。ユーミンさんが歌っていたのでは、この歌詞とメロディーの魅力が伝わらないでしょう。
♪もう一度 二人で歩いてみたい
♪迎えにゆこう 幸せになるため
この歌詞が響いてくるのは山本さんの澄んだ声があるからこそです。
それではまた。