スローバラード

1976年1月21日リリース
作詞・作曲:忌野清志郎 & みかん
歌:RCサクセション

毎度のことですが、この歌を知ったのも発売からずっとずっとあとのことです。「あと」と言いながらも、実際に「知った」というか「記憶に残った」というか、歌というかメロディーというか、表現が難しいのですが、とにもかくにも頭の片隅にインプットされたことは幾度もあったと思うのですが、そのときも題名はおろか歌詞の内容までは知りませんでした。

そうなんですよね。このメロディーを聴いて、「ああ、知ってる」と思うだけで、もちろん「いい歌」と感じていたわけですが、ただ漠然とした感覚で「知ってる」だったんですよね。そうした状態ですっといたのですが、しっかりと題名から歌詞の内容まで「きちんと知りたい」と思うようになったきっかけは、忌野さんが「さんまのまんま」という深夜のテレビ番組に出演したときです。

あの派手な外見でいながら、さんまさんと話すのがとても恥ずかしそうだったのがとても好感でした。おそらく照れ隠しだったと思うのですが、忌野さんは番組中ずっとギターを抱えながら話していました。そうした人柄を見てすっかり好きになりました。

曲の長さは4分とごく普通なのですが、歌詞が見事に短いのです。その短い歌詞で4分なのは、題名にあるとおり「バラード」だからです。基本的に僕はバラードに弱いのですが、ちなみにですが、僕はお酒にも弱いです。というかネバードリンク者です。

♪市営グランドの駐車場

♪カーラジオから

♪夜露が窓をつつんで

これらの歌詞で僕は「昭和」を感じるのですが、今の時代の若い人たちは、これらの歌詞からなにを感じるのでしょう。とても気になります。

忌野さんを次に観たのはテレビのドキュメント番組でした。ツアーに同行しているドキュメントだったのですが、忌野さんだけは自転車で移動していました。健康に意識をするようになっていたようなのですが、若くしてお亡くなりになったのは残念でなりません。忌野さんに最も似合う言葉は「純真」だと思っています。

その次に忌野さんに関する記事を見かけたのは、俳優の武田真治さんのインタビューでした。僕からしますと、武田さんといいますと若いときにナインティナインの番組に出演していたことが印象に残っていますので明るくてポップな人でした。ですが、実際はその真逆で鬱気味な感情にさいなまれることが多かったそうです。

そうしたどん底の精神状態のときに助けてくれたのが忌野清志郎だそうです。忌野さんが武田さんの話を聞き、ツアーに同行することを認めてくれたそうです。武田さんは「忌野さんがいなければ今の僕はいない」とまで話していました。ちなみに、武田さんを忌野さんに引き合わせたのは俳優の竹中直人さんです。

僕はいろいろな人の自伝のようなインタビュー記事を読むのが好きなのですが、思わぬ人が思わぬ人と知り合いだったり、助けたり助けられたりしている話を聞きますと、とても感動、感激した気持ちになります。

マスコミなどに注目されている「旬な人」についてはだいたいにおいて、表層的な人間性だったり人間関係などが語られることが多いので、本当の姿に接することはできません。しかし、芸能人としてのピークを過ぎたときに語られる話は、飾る必要もない状況ですので、その人の真実性が出ているように思っています。

武田さんの記事もそうでしたが、「旬でない」ときに語る武田さん、そして語られる忌野さんとの関係性は作り物ではない本当の姿のようでとても感動しました。マスコミは無理やりに「感動話」を取り上げたがりますが、マスコミに接するときはそうしたマスコミの特性も意識しておくことは大切です。

なんか今週の終わりは「好きな歌」コーナーではなく、コラム「じゃ、また」みたいな記事になってしまいました。まぁ、いいや。

それでは、また。

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