1991年発売
作詞:下田 逸郎 作曲:下田 逸郎
歌っている人:伊東ゆかり、ホームレスハート、浜田真理子、
たくさんの方がカバーしているのですが、僕が一番好きなのは浜田真理子さんのピアノ弾き語りです。この歌を知ったきっかけは「火口のふたり」をアマゾンプライムで観たことです。この映画でこの歌が抜群のタイミングで流れてくるのですが、そのメロディーに惹きこまれました。
僕はこの歌を作った下田さんについてたまに書いていますが、前は「泣くかもしれない」という歌を紹介しました。この歌も「海を感じるとき」という映画の中で流れているのですが、実は映画の中で使われている「泣くかもしれない」は僕が知っている「泣くかもしれない」ではありませんでした。調べてみますと、この映画で歌っているデュエットはこの映画のために作られたグループらしいのですが、ボーカルの女性の歌声が今ひとつこの歌の魅力を伝えきれていないように感じていました。
その経緯は「泣くかもしれない」のエッセイのところで書きましたので省略しますが、「早く抱いて」も同じことがあてはまりました。映画の中ではベテラン歌手の伊東ゆかりさんが歌っているのですが、僕的にはぴったし感はありませんでした。そこで「泣くかもしれない」を歌っていたホームレスハートさんというデュエットのお二人が歌っている版をネットで探し、聴いてみますとそのほうがこの歌の魅力が出ているように感じました。
そうして幾度か聴いていたときにyoutubeのおすすめで浜田真理子さんのピアノ弾き語りと出会いました。ホームレスハートさんには誠に申し訳ないのですが、正直に言いますと、浜田さんのほうがもっともっとこの歌の魅力を引き出しています。
それにしても下田さんの歌詞はなんと素晴らしいのでしょう。
♪早く抱いて
♪何をためらっているの
ときてから
♪間がずれると はがれ落ちるの
です。そうですよねぇ。タイミングって大事ですよね。
この歌の歌詞は4つの段落に分かれているのですが、「抱いて」はどの段落にも出てきます。それぞれの段落で「抱いて」のパターンが違っているのですが、順に書きますと、
♪早く抱いて うまく抱いて
♪長く抱いて ずっと抱いて
♪命抱いて 深く抱いて
♪早く相手 そっと抱いて
となります。そして最後に
♪くずれ落ちた恋のスキマと
♪幻の愛の向こうに
♪やっと 私も消えたわ
これを天才と呼ばず、なんと呼びましょう。
最近のamazonプライムのCMは、バスに乗っている三十半ばの女性がバスの中から街中の夜景を眺めている場面があるのですが、「この女性、特段美女というわけでもないけど、なんか魅力あるなぁ」と思っていましたら、「火口のふたり」の主人公の女性であることを思い出しました。
瀧内公美さんという女優さんなのですが、「火口のふたり」の最初のほうのシーンで、柄本佑さんをソファの隣に座るように促す場面があるのですが、このときの瀧内さんの仕草、表情が秀逸なのです。
そんなことを思い出させてくれた「早く抱いて」でした。
それでは、また。