斎藤和義
38作目シングル。2010年4月21日発売
いつも書いていますが、僕が好きになる歌というのはその歌がヒットしていた時期ではないことがほとんどです。若いと言いますか青春時代はタイムリーにヒット曲に接することがありましたが、年齢を重ねてからはヒットしていた時期とは関係なくその歌と出会っています。ですので、懐かしのメロディになっていることも多々ありますが、こればかりは運命ですからどうしようもありません。
さて、今回そうして出会った歌は斎藤和義さんの「ずっと好きだった」です。出会ったのはかなり前ですが、おぼろげな記憶ではYouTubeでなにかを聴いていたときに「おすすめ」されたのだと思います。一瞬で心惹かれたのだけは憶えています。
なんと言っても歌詞が「だれにでもありそうな青春の思い出」なところが素敵です。しかも、その青春を未来から思い出して、さらに今の心境を歌っているのですから、心惹かれた人はたくさんいたでしょう。
妻にこの歌を話したところ、妻は斎藤和義さんをかなり前に知っていたようです。僕はこの歌で初めて斎藤和義さんを知ったのですが、妻からしますと子供が小さい頃に見ていた子供用テレビ番組「ポンキッキーズ」の主題歌を歌っていたそうです。驚きです。
いつだったか、全く記憶にないのですが、深夜にリリーフランキーさんが対談番組をやっていたのですが、そこにゲストとして出演していました。その番組で斎藤さんが上京したときの失恋の話とか、売れるまでの苦労などを知ったのですが、その番組を見たのは10年以上前だと思います。そして、その時点で斎藤さんはデビューしてからかなり年数が経っていたはずですが、斎藤さんという歌手はブレークする波があるそうで、妻に言わせますと、最初にブレークしたのは、先ほど話した「ポンキッキーズ」の主題歌に採用された「歩いて帰ろう」だそうです。全く知りませんでした。
それはともかく、青春のほろ苦い恋愛感情をきれいに掬い上げた歌詞はなんともいえません。おそらく、この心情に思い当たらない人はいないのではないでしょうか。ところが、斎藤さん自身の経験は全く正反対のようで、リリーフランキーさんとの対談では「一緒に上京してきた彼女は、貧乏な暮らしについて行けず、すぐに帰郷した」と話していました。現実は、かなり冷酷なようです。
「ずっと好きだった」のに言い出せなかったのは純情だったからですが、純情な気持ちはそのままとっておいたほうが人間は幸せなのかもしれません。考えようによっては、この歌は同窓会の歌ともいえそうですが、そこには邪な感情がありそうで、ちょっと不安です。この歌詞でも、「ずっと好きだった」と告白しているのですが、独身だったならきれいな話になりますが、年齢的に結婚していても不思議ではありません。そうなりますと不貞行為につながりそうな雰囲気の歌ともとれます。たぶん、そういう人多いだろうなぁ((笑)。
邪推は一応横に置くとしたなら、この歌は純情な気持ちを歌った歌ですが、斎藤さんの歌であと一つ昔の恋心を歌った名曲と言いますと、「真夜中のプール」です。この歌も青春時代を歌った歌ですが、映画のワンシーンを切り取ったような歌詞が心を揺さぶります。
青春に乾杯。
また次回。