1975年1月25日発売
作詞:星野哲郎
作曲:叶弦大
歌:小林旭 92枚目のシングル
前に「新宿の女」という藤圭子さんの歌を紹介したことがありますが、同じ傾向の歌です。幸薄い女性の心情を歌ったものですが、いわゆる「昭和の演歌」はほとんどがこういった「耐える女性」の歌が主流でした。今の時代の女性からしますと、信じられない女性像ですが、時代の流れとお許し願いたく思います。
演歌は「地域名」を入れて北から南に歌うのが多いのですが、この歌は京都、神戸、横浜しか出てきません。しかも、1番にすべての地名を入れているところがほかの演歌とは違うところのように思います。普通の演歌は、例えば1番に函館という地名を入れ、2番に青森、3番に宮城など場所を変えながら順番に入れていきます。しかし、この歌では1番に3つの地名を入れています。
♪忘れたことなど 一度もなかったわ
♪いろんな男を 知るたびに
この歌詞はこの順番だからこそ、好きな男性への強い思いが伝わってきます。これが
♪いろんな男を 知るたびに
♪忘れたことなど 一度もなかったわ
では心惹かれるものはありません。
ただ1つだけ、ちょいとばかし腑に落ちないところもあるのです。
♪流れ女の さいごの止まり木に
♪あなたが止まって くれるの待つわ
なのですが、流れているのは女性のほうなのに、どうして「止まってくれるのを待つ」のかそれが疑問です。まぁ、人生って一筋縄じゃいかにですよねぇ。
それでは、また。